SOUTHERN COMFORT(南部の歓び)なる洒落た名前のリキュールがある。
ボトルのラベルには、長閑なミシシッピ川沿いに建つ、砂糖きび農園の邸宅が描かれている。
このリキュールを、南部の出身のバーテンダー、M.W.HERN(M.W.ヘロン)が、1860頃発明したと言われている。
ニューオリンズでバーテンダーをしていたヘロンは、樽詰バーボンの味に満足できなかった。
そこで、このバーボンに、甘味や桃の香りなどを加えて作ったのが、サザン・カンフォートの誕生秘話である。
やがて、18889年、メンフィスでバーを開業し、このリキュールで評判を取り、さらに、セントルイスへ移り、瓶詰で売り出した。
もともとは、バーボン・ウイスキーをベースにしていたが、現在は糖蜜を蒸留した中性スピリッツを使用している。
それに、桃を主体に、レモンなどなどの多くのフルーツ・エキスを配合し、さらに、桃の核から抽出したアーモンド・フレーバを加えている。
それを、樽に6カ月間熟成させたあと、瓶詰し出荷をする。
現在のアルコール強度は21度だが、初期のサザン・カンフォートのアルコール強度は、50度近いものであったと想像できる。
1997年頃のアルコール強度は40度、1999年頃は38度と、世界の趨勢か、年々、アルコール強度は低くなってきている。
このサザン・カンフォートは、伝説的なロック・シンガー、ジャニス・ジョプリンがこよなく愛した酒だ。
だが、その頃のサザン・カンフォートは、かなりハードで、パワー溢れる酒であったことだろう。
彼女のステージには、何時も、マルボロの煙草と、この酒があったという。
1970年10月4日、アルバム「バール」の収録中に斃れるまで、覚醒剤やヘロインでさえ、彼女の孤独と疎外感を救うことは出来なかった。
だがこの酒が、ジャニスの引き裂かれた魂を癒したのだった
そんな訳で、カーターではサザン・カンフォートwithライム&トニックウォーター又はソーダのカクテルを売り出しています
ジョップリンと呼んでください♪